骨粗鬆症 - 大丈夫ですか?
どうして年齢を重ねると骨粗鬆症になりやすいのでしょうか?
人間の骨組織は年齢を重ねるにつれて老化していきます。さらに、高齢になるとカルシウムの代謝や内分泌が変化し、骨の量が減少していきます。骨密度が低くなり、軽石のようにスカスカの状態になってしまうのです。
実はそれだけでなく、高齢になると、体内のいろいろな臓器の働きも落ちてきます。
腎臓の働きが落ちると、活性型ビタミンDを合成する能力が低くなります。活性型ビタミンDには、小腸からカルシウムやリンの吸収を促す働きがあり、さらに骨へのカルシウムやリンの沈着を促す作用もあるのです。高齢になり、このビタミンDが不足すると、体内のカルシウムやリンが不足することになり、それを補おうとして骨から溶け出すようになるのです。そのため骨は「す」が入ったようにもろくなり、骨粗鬆症となるのです。
まだまだあります! ビタミンDが活性型ビタミンDに変わるためには、実は紫外線が必要なのです。確かに、紫外線は近年、まさに敵のように扱われていますが、こと骨粗鬆症予防には必要な働きをするのです。高齢になり、あまり外出しなくなると、健康のために必要な紫外線量さえも確保できなくなってしまうのです。また、高齢化によって、カルシウムの骨への蓄積に必要な運動が減ることも骨粗鬆症に拍車をかけます。
運動量の減少は、骨のなかの血液を酸性化し、カルシウムを溶け出させやすくし、骨の細胞の働きも悪くします。
骨粗鬆症になると腰や背中が重く感じるようになり、慢性的な腰痛を訴えるようになります。
また、骨がもろく、軽石のようにスカスカの状態になっていることから、非常に骨折しやすくなります。ちょっと圧力がかかっただけでも、脊椎の椎体に圧迫骨折を起こします。
高齢者で、急に腰痛や背部痛を起こした場合、実は骨折していたということが珍しくないのです。
腰痛や背部痛以外にも、背中や腰が曲がったり、身長が縮むといった症状が現れます。亀背(きはい)といって背骨の部分が突出したり、円背(えんばい)という背中が丸くなる症状が見られることもあります。
骨粗鬆症の患者さんが骨折を起こしやすい部位は、長管骨(ちょうかんこつ)の大たい骨頸部(足の付け根)や、とう骨遠位端(とうこつえんいたん)(手首)、上腕骨外科頸(じょうわんこつげかけい)(腕の付け根)などです。なかでも大たい骨頸部の骨折は、長期の療養が必要となることから、そのまま寝たきりになってしまうことが多々あります。またそれが痴呆の症状を誘引したり、痴呆の進行を促進することにもなるので、高齢者にとって非常に恐ろしいものです。
骨粗鬆症の治療には、カルシウム製剤の投与などの薬物療法がおこなわれますが、骨量の増加はさほど期待できません。せいぜい現状維持できる程度と考えたほうがよさそうです。